初めての受験は何から着手すべきか?⑤(終わり)

昨日の続きです。

・目標と目的を定めました。

 (いつまでも〇〇点取って何をするか)

・必要な書籍も揃えました。

(初めての本+語彙・文法本+公式問題集)

あとは、学習するだけですね。

じゃ、しっかり、ガッツリ、1日5時間やりましょう。

それでは、Have a nice day!

と、バリバリ勉強できれば苦労はしないですよね。

正直いきなりその領域に行くには難しいです。

第一、これまでそんなに学習をしてこなかったか、やり始めたとしても続かなくてやり直しの位置にいるはず、なんです。

『目的と目標』

『必要な書籍』

この2つはどちらかというとまずはカタチです。

あとは実際に学習しようと思う気持ち、実際に学習するアクション、つまりあなたの意欲。

これです。

これが一番難しい。

なぜか?

これまで学習をやってこなかった方がいきなりやるというのは相当なハードルです。

おそらくここを乗り越えると、当面はうまくいくはずです。

ここからは私の経験談ですが、

実は私自身も一度TOEIC学習を志して挫折しています。

本格的に学習する1年前のハナシですが、

通信教育で470点コースというものを3万、いや5万円くらいかけて購入しました。

どうせやると決めたからには、それなりの投資を自分にしようと思ったからです。

添削問題もあり、提出期限があるタイプにしたのですが、

仕事が忙しく、

・明日やろう

・来週やろう

・来月やろう

・秋からやろう

・来年からやろう

結局のその教材は1ページも開くことなく終了しました。

金額を多分にかければ学習するだろう、ということではないんです。

結局は本人の意欲が学習の推進力になるはずです。

じゃあ、私はどうやったか?

1日5分から始めました。

え?1日5分って、ありえなくないですか?

そういう声が聞こえてくるかと思いますが、

まずは1日1つの単語。

そこから、

・単語を2つくらい。

・今日は文法の用法を1つ、

・今日は昨日の復習。よしこれで3個単語を覚えた。

こんな感じで少ーーーしずる量を増やしていったんですね。

当時、もう今から15年前になりますが、1日5分なら朝起きて、帰ってきてから等、5分だけならどこでもできるな、ということで続いたんです。

足りない、そんなんで大丈夫か?

そういう声が聞こえそうですが、当時の私は、

「まず続ける」

「1日も休まない」

これを徹底することにしました。

自分の脳内や体内にとにかく英語学習する、毎日続ける、これをやり、自分に変化が出るまではこれをやりました。

そうだなあ、1週間くらい経過した週末に、

『うーん、これだと学んだことが消化不良になるので1日30分にしてみようか』

そんな感じで少しだけ増やしてみよう、でも30分だと5分の6倍だから15分にしようかな、と

無理のない範囲で増やしていきました。

結局そこから、

15分→30分→45分→1時間→2時間、と

平日には2時間ほど取れるようになっていくのですが、

勢いづいたころには少しずつTOEICの学習が楽しくなっていることに気付いて、

いつの間にか、

早くレベルアップしたいな。

そう思ったのが学習意欲の向上やモチベーション維持につながったと思います。

今では、通信教育も教材を作る側になりました。

(やらなかった通信教育教材には本当に申し訳ないことしたな、と今でも思っています)

結局何かをそろえても、最後に学習する、しようとする、継続するのは自分の意志です。

その意思は「もともとなかったもの」ですからそこを動かすのはものすごい力が要ると思いますし(従来の自分の行動を変えるわけですから)、

一方で、それを乗り切ってハマる状態が出来れば、そこから飛躍していく素地が出来た、と思ってください。

それでは今週のまとめです。

初めての受験では、何から着手すればいいかというと、

・目的(何をしたいか)と目標(そのためにいつまでに何点取りたいか)を定める

・3種類の書籍(初めて系+語彙・文法本+公式問題集)をそろえる

・毎日数分レベルからでもいいので、コツコツ続けて学習してみる。

 一度学習したらやめない。

千里の道も一歩から。

まずは少しずつでもよいので行動を起こしていきましょう。

それでは週末には公開テストがありますね。

いろいろとコロナ禍の状況で大変ですが受験されるみなさん、頑張りましょう。

そして、受験されない方も充実した学習ができますように!

それでは、来週はまた異なるトピックを挙げていきます。

Have a great weekend!

Tommy

初めての受験は何から着手すべきか?④

昨日の続きです。

語彙と文法の書籍についてです。

語彙本はいうまでもなく、これです。

正直これ1冊があればほとんど足ります。

TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ) | TEX加藤 |本 | 通販 | Amazon

理由はカンタンで、TOEICの受験経験に基づいて出る単語しか収録していないからです。

TOEICだけのことを考えて単語を学びたいんですが・・・という方には非常に効果的かつ効率的に学べる1冊です。

強いてデメリットを言うと、この本は600点-990点の方に向けて単語学習出来るように作られているので、正直500点弱くらい最初から潜在能力がないとちょっと難しいかもしれません。

その場合は、こちらからやるとよいでしょう。

こちらはホントの入門編です。

TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ) | TEX加藤 |本 | 通販 | Amazon

どちらが自分に合うか、は最初の10ページくらい見比べてみて、あ、銀のフレーズはだいたいわかるな、という方は金に、金の最初の方のページで、やばい、全くわからん!と思ったら銀から、というように自分のレベルを書店等で確認してもよいでしょう。とりあえず、600点取りたい!と思ったら迷わず『銀』です。というのも、金のフレーズの600点向けの400語は網羅しているからです。こういう点も姉妹本はありがたいですね。

次に文法本ですが、これ1冊あれば正直他は全くいらない、といっても過言ではないくらいマストバイな1冊です。

TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問 | TEX加藤 |本 | 通販 | Amazon

とりあえず、最初の品詞問題からじっくりやりましょう。

1,000問以上収録されていて、問題慣れしないとげげ、となるかもしれませんが、

1日5問とか、10問レベルでもかまいません。易しい問題から少しずつ力を試すように出来ているので、ルーチンとして取り組みましょう。

(私はこの手の本は1日でやりこみますが、オススメは出来ません)

最後に、

実際のテストのレベルを知る本です。

これは言うまでもなく、

公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7 | ETS |本 | 通販 | Amazon

公式問題集です。

これがまさしく、「実際のテストレベル」、どストライクです。

この本で、どのパートがどれくらい難しいか、感じてください。

それにより、日常の学習や、本番の取り組み方の作戦を考えることがしやすくなります。

さて、2日にわたり、初めての受験時の書籍を紹介してきました。

・形式:『初めての』関連の本を1冊

・語彙:金もしくは銀のフレーズ

・文法:出る1000

・本番のレベル:公式問題集

この4冊は基本装備だと思ってください。

約8,000円程度の投資ですが、人生を変えるきっかけとなる投資です。残念ながら私の本が1冊も入っていませんが、それくらい上記の本は基本装備として必ず、何が何でも手元に置いておくべき本だと思ってください。

今回のターゲットは、英語レベルが低い方向けで紹介しましたが、

すでに英語バックグラウンドのある方は、公式問題集1冊でもいいでしょう。

あ、こんな形式、こんな語彙・文法・言い回しが出るんだ。

そう感じれば問題ありません。

ただし、バックグラウンドがあるから必ず全問正解出来る、というわけではありませんので、

その点はご自身で体感して補強方法は考えてみてください。

補強の視点でいくと、いよいよ私が過去に書いた本を紹介できるのですが、

それはまたいつかの機会に紹介します。

それでは、今日も頑張っていきましょう。

Tommy

初めての受験は何から着手すべきか?③

昨日の続きです。

今日はどちらかというと書籍の紹介になります。

①TOEICの形式を知る

これに関しては、「はじめてのシリーズ」系がよいです。

TOEICについて全く知らない方は絶対に持っておいた方がよいです。

具体的にTOEICを受ける際の基本の総合対策として持っておくとよいでしょう。

まずここで各パートがどのような問題構成か学ぶことが駅ます。

何冊か紹介しますが、いずれもヒット作品が大半です。

ただすべて購入するのではなく、

・文字の見やすさ

・イラスト、カラーによるわかりやすさ

・内容の充実さ

・本の大きさによる生活へのフィット度

こういったみなさんに合うファクターが必要です。

特に、「生活へのフィット感」は、

・携帯するので文庫本もしくはカバンに入っても不快感のないサイズだったり、

 常に家で学習するため、多少大きめでスペースを取る等、何かしらの機能的な決め手と考えるとよいでしょう。

あと、最終的にはみなさんの「これなら学習できそうだ!」という感覚です。

学習は続けること、理解することでモチベーションが上がって愛着がわくことが重要です。

それでは紹介します。

【別冊模試・CD-ROM・音声DL付】はじめて受けるTOEIC(R) L&Rテスト 全パート完全攻略 | 小石 裕子 |本 | 通販 | Amazon

これは内容が充実しています。中級レベルでもためになるコンテンツがあります。

はじめてのTOEIC L&Rテスト 全パート総合対策 (アスク出版) | 塚田 幸光 | 英語 | Kindleストア | Amazon

この本はカラーが豊富でとても見やすくビジュアルで覚えやすいなあ、という印象を受けます。

TOEIC L&R TEST 入門特急 とれる600点 (TOEIC TEST 特急シリーズ) | TEX加藤 |本 | 通販 | Amazon

この本は、文庫本サイズで持ち運びしやすいのが特徴です。加えてユーモアある内容でありながらも各パートの急所をしっかり網羅しています。

はじめてのTOEIC® L&R テスト きほんのきほん | 石井洋佑, Karl Rosvold, Michael McDowell |本 | 通販 | Amazon

この本は、ドリル形式で毎日のタスクを決めているので学習量をあらかじめ想定しながら進めることが出来ます。本のサイズが少し大きいので自宅で学習する方にはよいと思います。

TOEIC L&Rテスト はじめて受験のパスポート | 駒井亜紀子, 濱崎潤之輔 |本 | 通販 | Amazon

この本は、初めて学習される方にとてもやさしく解説しており、あたかも家庭教師が話しかけるような暖かみを感じます。とりあえず最後までやってみようかな、と思わせてくれる本です。

Amazon.co.jp: マンガで攻略! はじめてのTOEIC(R)テスト 全パート対策【CD無しバージョン】 eBook: 濱崎潤之輔: 本

 この本、というよりマンガです。マンガで初めてのTOEICを要点を含めてコンテンツ化している、というのは新機軸で面白いです。活字が嫌な人には読み切って、こういうテストなんだ、というのが頭、というか残像に残ります。

ということで、形式を知るための本をいくつか紹介しました。

他にもいろいろあるかと思いますが、現時点でここにある本で、自分がビビビ!とくるものがあれば、初めての取り組みとしてうってつけの1冊です。いずれもクオリティが高いので力になってくれること間違いなしです。

初めての・・・シリーズは学ぶというよりは読み物として『こうなんだあ』ということをまずは学んでください。そして1冊やり切った後も、もう一度最初からじっくりやっていってもかまいません。初めて学習した際に1回で卒業する、という方はもともと英語力が備わっていて形式を知らない方くらいかと思います。それ以外の方は、自分のお守りとしてじっくり取り組むスタンスで、文字どおり『バイブル』として持っておくとよいと思います。

長くなったので、明日以降、語彙、文法、本番のレベル、と紹介していきます。

それでは今日も頑張りましょう!

Tommy

初めての受験は何から着手すべきか?②

昨日の続きです。

自信の目的やゴールをある程度明確にしたら、次はいろいろなことを知るフェイズになります。

おおまかに言って、知るべきことは3つあります。

①TOEIC問題の形式を知る

②TOEIC特有の語彙・文法を知る

③実際のテストのレベルを知り、自分の現在の位置を確認する

この3点は初めて受験するうえでとても重要なことです。

①TOEICの問題の形式を知る

TOEICは英語のテストでしょ?と言えばその通りですが、

その問題の形式やルールを知ることで、効果的に受験が出来ます。

・出題数

・解答時間

・それぞれのパートごとの特徴

・出題ジャンル

こういったことを事前に把握するか、しないかで相当な差が付きます。

初めて受験する上では、非常に重要な位置づけだと思ってください。

中には、学習を進めて初めて、「意図問題」とは?『グラフィック問題とは何?』と、進めることで形式の難しさを知ることがあります飲んで、自分で苦手なところはそもそも出題の形式を自分で理解しているか、あらためてふりかえることが重要です。

②TOEIC特有の語彙や文法を知る

どんなテスト形式でも出題されるジャンルに応じて語彙レベルや文法レベルが決まってきます。基本的にTOEICの場合は、日常の生活、ビジネスシーンの場面を想定して問題が作られていますので、そのレベルで使うような語彙・文法というのがベースとなります。

それを知ることで、読む・聞くを効率的に学習することが出来ます。

③実際のテストのレベルを知り、自分の現在位置を確認する。

これは、自分の目標となる位置を定めた際に、その目標位置に対して、自分が今どの位置にいるのか?を知るということです。自分の現在位置を正確に知ることで、どうすれば目標に届くのか、最短アプローチの学習方法を探しやすくなるでしょう。加えて、アドバイスを求めるときの質問のレベルも上がり、自分の現在位置を知ることで回答する方が的を射やすくなると思います。

今日は初めて受験を控えている方が心得ておく、知っておくべき3つの視点について触れました。

いわゆるこれが当面の作戦であり、学習方針にもなります。

明日以降、具体的な書籍を含めてさらに掘り下げていきたいと思います。

それでは、Have a nice day!

Tommy

初めての受験は何から着手すべきか?①

「初受験です。何から始めればよいですか?」

こういう質問が複数寄せられましたので、今週はこのテーマを少し掘り下げてみたいと思います。

【基本的には2種類】

基本的には、この質問に対する回答は、学習者の方のバックグラウンドによります。

・英語というものに全く触れたことがない方

・学生時代は授業の一環で勉強していたが、そこから離れてしばらく経過して久々に英語をやってみようという方

この2つに該当する方はだいたい同じ目線で進められます。後者の方が以前取り組んだ真剣度により思い出しやすさで、グーンと伸びる可能性はあります。

・英検を取得している、海外生活をしていて、テストを受けてみたい。

このような方は、すでに英語のバッググラウンドが出来ているので、テストの形式や傾向を知ればそんなに難しくなくなれるはずです。ただし、勉強の仕方を間違うとハマると思います。

ということで、ハナシに関しては少し前者の未経験の方について触れていきたいと思います。

【そもそも勉強する前に自分用の地図を描く】

あなたがこれから学習しようと思う理由や動機を書き出してみましょう。

誰かに公開する必要は全くありません。

資格がないと進学・就職できないのか?

興味本位でやってみたいのか?

とにかく英語を極めたいのか?

人によって目的が異なるはずです。

いきなり始めるにしても、その切迫度や緩さを自分で知っていないと、アドバイスを求めたときにご自身へのどストライクの回答が返ってくるとは限りません。少しずつ緩くやろうと思っても、「本気で死ぬ気で1日10時間勉強しろよ!」というアドバイスを受けてもきっと響かないと思います。自分でその点を明確にする必要が。

そのあたりが明確になった時点で、だいたいの目標を決めましょう。

いつまでに何点取りたいのか?

いつ頃初受験するのか?

目標というとこんなところですね。

もし900点とか990点を取りたいのであれば、もう少し具体的、もしくは中長期的な計画は必要ですが、まずは600点とか730点とか刻んでもかまいません。

そして1日に学習できる時間を設定しましょう。

あなたがどれくらい学習時間に割けるのか、これを設定しておきましょう。

かなり取得期限が迫っている方は時間をたくさん取る必要がありますし、

緩く始める方はまずは学習が続くように1日5分とか10分でもかまいません。そこから広げていけばよいのです。

今日はこのへんにしておきますが、まとめると、

自分がこれから学習するための基本条件を地図として描きましょう。

・目的(どうして学習したいの?)

・目標(いつまでにどれくらいのスコアが取りたいの?)

・学習時間(1日どれくらいの時間が確保できそうなの?)

これが出来れば出発点の完成です。

ちなみに、私が学習し始めたのは30歳になってからですが、

・海外に留学したい

・1年間で600点後半、あわよくば700点いけばいいや

・とりあえず学習を続けたいので1日30~1時間

これが最初の設定条件でした。

こういった条件が明確ではない場合、学習アドバイスが自分に適したものをもらえなかったり、背伸び学習をして挫折するケースがありますので、決めておく、書き出しておくことはとても重要な作業です。もし今学習で伸び悩んでいたら、改めて書き出してみるとよいでしょう。

明日より具体的な学習方法や参考書の紹介に入っていきます。

それでは、今週もがんばりましょう!

Tommy

文法特急1を500周行った理由

ツイッターが不具合を起こしており、他の方の情報をタイムリーに見ることが出来ないようです・・・早く直るとよいのですが。(私だけですかね?)

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今日は日曜日なので自分の好きなことを書きます。

私がよく聞かれる質問の1つで、

1駅1題 新TOEIC(R) TEST 文法 特急 | 花田 徹也 | Kindle本 | Kindleストア | Amazon

この本の続編でコラムを書いたこともあり、その後よく質問を受けるようになりました。

確か、コラムを書いたときはまだ990点を取っていなかったと記憶しています。

※コラムを書いた続編はこちらです。正直「2」もクオリティ超絶高いです。

新TOEIC TEST 文法特急2 急所アタック編 | 花田徹也 | 英語 | Kindleストア | Amazon

「よく1冊の本を500周も出来ますよね?」

とか

「どうやったら出来るんですか?」

や、

「この回数バカ!」

など、

・・・

といろいろなお声をいただきます。

まず結論からいうと、500周はカンタンに出来ます。

※1周=1冊の中にある問題をすべて解く

最初は実力でチャレンジして、

答え合わせをして、間違ったところをチェックして、

そこからは何度も繰り返してやる。

それだけです。

1日に3回やれば、167日、つまり約5か月半でできます。

このペースでやれば、1年で1,000周は出来ます。

ただ、何でやったのか?

何を目的にしたのか?

そこが一番大事なところです。

その点をもう少し詳しく話しますね。

確か2009年は、東京は三鷹にある某スタジオにTOEIC L&Rテスト終了後のラジオ番組をTOEIC満点講師の方と一緒に収録していた時のことです。

講師は、神崎先生、花田先生、森田先生、講師になる前のTEX加藤さん、

それと、990点取る前の濱崎さんと私。

このメンバーが(確か)メイン布陣でした。

正直、私と濱崎さんは、ラジオに出るたびに、次こそは、次こそは、と満点を目指して頑張ったものの、この年は2人とも結局1度も990点取得できませんでした。

メチャクチャ悔しかったですし、取れないことが情けなく、かつ後ろめたくも感じていました。当時、毎週濱崎さんと会って語り合う「定例会」の場もそのテーマが話題のの990%でした。

そんな中、

前述の当時の満点の4人が「特急シリーズ」というTOEIC本を文庫本サイズで同時に発売する、という情報をある日の番組収録後にお伺いし、色めき立ったのを思い出します。

単語・文法・読解の3冊で、特急シリーズの原点です。

確か、発売日に休暇をとって渋谷の書店でまっさきに購入したのを記憶しています。

早速取り組み、それぞれ3回(3週)ずつくらい解いたときに感じたファーストインプレッションで、

読解特急は、なるほど、正解はここに書かれていたか?

単語特急は知識を仕入れれば自分のモノになるな?

と妙に納得したのに対し、

文法特急だけは、一周して、少し引っ掛かりました、

ん?何でこれが正解になるんだ?

これはどうして不正解になるのかな?

というモヤモヤが残ったままでした。

そのため、この本をマスターすれば、自分の引っ掛かっているところが解消できるかな?

そうひらめいたのが500周やろうとおもったきっかけです。

正直500周やろうと最初から志していたわけではなく、徹底的にやりこんでやろう、というのが目的であり、思いです。

当然ですが、解いていくうちに正解は覚えていきます。

ページを見れば選択肢がわかる、みたいな。

なので、少しずつやり方を変えて、

選択肢を見ないで正解したり、

少し時間をかけてあたかも解説するように自分で思考し、

正解だけではなく不正解の選択肢も開設するようにしたり、

一番最後の問題から解いてみたり、

音声だけ聞いて問題のポイントだけ抜き出したり、と

あれやこれやいろいろやりました。

そうするうちに、他の問題を解いていても、

この問題はこれが正解。なぜならこうだから。

この問題のこの選択肢は不正解。なぜならこうだから。

そういう発想が自分の中ですぐに浮かんでくるのがわかりました。

そこにスピードを乗せて、さらに周回を重ねていくうちにいつしか500周超えました。

自分の生活に普通に取り込まれている、たとえば水を飲む、食事をするくらいの感覚でやっていたので、

さて勉強するか、

というより、

さて、自分が生きているかどうかの生存確認をするか、

そんな感じさえしていました。

正直500周を超えてからはカウントしていませんが、

手垢もついて、本の色も黒っぽくなって、自分の体と一体化したような感じでした。

(少し盛りました。スミマセン。)

その結果、

翌年の公開テストから、

Part-5の問題を見たときに、この問題の正解は何となくこれかな、

そういう見立てが瞬間的に出来るようになりました。

そして2009年のスコアアベレージが950点ほどだったのが、

2010年には980点にあがりました。

翌年には990点を取ることが出来ました。

正直、文法特急の問題は990点を取るための問題ばかりが収録されているわけではありません。しいて言うと800-860点を目指す方がどストライクで、ハイレベルでも900点を目指す

程度だと思います。

でも、ハイクオリティの教材を英文、選択肢、正解へのアプローチ、不正解の選別の方法、

全ての語彙、音声の活用

こうしたことを体得するには私の場合、気が付くと500周必要だった、という、

おそらく結果的にはそういうことだったのだと思います。

500周やったことは何も、1ミリも後悔していません。

おそらく万人に通じる学習法ではないな、となんとなく思います。

ただ、1冊の本を丁寧にこなすことで、想定する以上の力を出すことが出来るんだな

ということを感じました。

990点を取得した翌年に私はアルクさんより逆算シリーズ「3週間で900点」の執筆オファーを頂き、1冊の本を徹底的にやりこむことをコンセプトにして作りこみ、2013年に出版しました。今から8年前のことです。

【CD-ROM・音声DL・別冊模試付】3週間で攻略 TOEIC(R) L&Rテスト900点! (残り日数逆算シリーズ) | 大里 秀介 |本 | 通販 | Amazon

※2017年に新形式版に改訂しました。

当時は、本当に3週間で900点取れるのかな?という気持ちでしたが、

本当に900点突破する方が、

800点台後半の方

800点台前半の方、

そして730~740点台の方も現れました。

1冊の本で夢をかなえることを実践できることはうれしいことです。

そのうれしさを、叶える力を私に与えてくれたのはこの文法特急1でしたし、

いつしか特急シリーズ著者のお仲間入りをさせていただくことが出来ました。

そういう気持ちを忘れずに、新たな本をまた出していきたいと思います。

そういえば、先日の旺文社セミナーの時に気付いたのですが、

文法特急も増補版が出版されたようですね。

1駅1題! TOEIC L&R TEST 文法特急 (TOEIC TEST 特急シリーズ) | 花田 徹也 |本 | 通販 | Amazon

私はまだ拝見していないので、書店に行けるようになったら是非手に取ってみたいと思います。

ということで今日はもう少し原稿を進めてまいります。

明日からまた先日のセミナーで学習者の方から頂いた質問を取り上げていきたいと思います。

ご期待ください。

それでは。

Enjoy the rest of the day!

Tommy

初心者が英文を早く読む(終)

今週は「初心者が英文を早く読むには?」というテーマについて回答してきました。

このテーマは先日3/27に旺文社様・オープンゲート様主催にて行われたTOEICセミナーで事前に寄せられた質問でお答えできなかったものです。

何日かにわけてお答えしてきましたが、

ブログに書くと、ある程度ポイントを絞って示すことが出来て、それなりに有意義だな、と感じました。

ということで、質問については来週以降も取り上げていきます。

今回は、「初心者が英文を早く読む」の最終回です。

比較的易しい英文を読むクセをつける、ということについて話してきましたが、

やはり早く読むようになるには、「毎日一定の英文を読んでいく」ということに尽きます。

それにより、読むことに対する抵抗も少なくなります。

長文が苦手です。

そういう方に限って、「読む」ということを十分にやっていないのではないでしょうか?

もし、TOEICのスコアについてベストな成績を上げたいのであれば、

1日、Part-7を1セット相当読み切れる力が必要です。

とはいえ、そんな時間や体力がない、という方もいらっしゃるかもしれません。

本来ならばそこを乗り越えていく必要がありますが、

いたずらにその点を強調しても、スコアレンジが様々な方もいらっしゃいますので、

無理せず、少しずつ早く読めるようになる視点でお答えします。

1番効果があるのは、少しずつ読む量を増やしていく。

この視点です。

たとえば、毎日Part-2,5ならやれます。

こういう方は多いでしょう。

問題に取っつきやすいですし、正解不正解がすぐわかります。

でもPart-7は分量があるため、ちょっとやりづらい・・・。

もしそう考えるのであれば、

Part-7の冒頭にある2問つきの問題を1題から。

まずはここから始めていきましょう。

2問つきでも、分量が少ないものを選んでもかまいません。

表形式とかレシート、イラストが多い広告でもかまいません。

大事なことはまとまった情報を読んで理解する。

ここです。

例えば、Part-5は空所に問われていることを焦点に読み解きますが、

Part-7に関しては、書かれていることを理解して設問に臨めば、必ず解けるように出来ています。

つまり、「まとまった情報を読むトレーニングを普段から積んでおく」ことが重要です。

ですので、「まずは少量のまとまった情報を理解する」

それから、少しずつ分量が多いものに移行していく。

こういうスタンスで、「このタイプの題材はだんだんと早く読めるからそろそろいいかな」

そう思ったら、メール、手紙、というようにちょっと分量の多いものへ移行していきましょう。

ちなみに、表やレシートのようなものも早く読めると結構なメリットがありますよ。

特にQ.186-200の3つのパッセージを読んで解く際に、そのうちの1つが表、ということは結構ありますので、そこを素早く読めるようになる、というのはあなたの武器になります。

また、表形式やレシートを早く読めるようになると、

Part-3,4のグラフック問題も解きやすくなります。

これは読むということに加え、表やレシートの形式に「目が慣れる」ことで、

情報処理能力が上がることを意味しています。

ちなみに、練習の際は問題を解く、というよりも読むことに重きを置いてください。

ここは目的によってことなりますが、

今回のテーマは「英文を早く読む」ですから、

問題を解くのはそのあと。

まずは英文を読んで理解することを優先してください。

ちなみに、手前みそになりますが、

拙著のPart-7の本は、メール、広告といったそれぞれのトピックの読み方や問題のタイプを幅広く取り入れておりますので、

TOEIC L&Rテスト 壁越えトレーニング Part 7 (壁越えトレーニングシリーズ) | 大里秀介 |本 | 通販 | Amazon

もしご興味があれば手に取ってみてください。

スコア470~500点あれば、最初から少しずつ取り組むことで力がつくように出来ています。

それでは、みなさん、引き続き頑張りましょう!

応援しています。

Tommy

初心者が英文を早く読むポイント3

昨日の続きです。

少しPart-5の文を見ていきましょうか。

 ABC Supermarket carries a wide selection of cheeses that are not available at some other stores.

Part-5の問題は短文穴埋めですが、いったん完全な文に起こしました。

『ABCスーパー』は他店では入手できないような豊富な種類のチーズを取り扱っている。

という意味です。

文を分解するとこんなカンジです。

ABC Supermarket 主語(名詞) ⇒ Sに相当

carries 述語(動詞) ※carry ~を取り扱う ⇒ Vに相当

a wide selection of cheeses 目的語(名詞のカタマリ)豊富な種類のチーズ ⇒ Oに相当

that are not available at some other stores. 関係詞thatでcheesesを修飾 ⇒ Mに相当

とすると、こんな関係が成り立ちます。

SVO+M(MはOを修飾)

ここでこう考えることができるわけです。

あ、文としてはPart-1より長めだけど、Part-1で扱ったような第3文型だ

冠詞や形容詞を無視すると、

Supermarket(S)   carry(V) cheese (O)

スーパーは       扱う    チーズ

これが基本骨格。

あとは飾りをつけているだけです。

cheeses 以降のthat 以下は、

The cheeses are not available at some other stores.

⇒ そのチーズは他店では入手できない

こんな完全な文にいったん置き換えてみるとより分かりやすいです。

特に関係詞はこんな感じで文を2つ作ってみると理解が進みやすいです。

これで後ろに戻る必要がなくなります。

ちなみに、この文は以下のように分解できます。

The cheeses S(主語)

are V (動詞)

not available C(形容詞)

at some other stores M(前置詞句(前置詞+名詞のカタマリ))

SVC+Mの関係が成り立つので、

S=C ⇒ The cheeses = not available

こう考えるとわかりやすいです。

最初の英文に戻りましょう。

 ABC Supermarket carries a wide selection of cheeses that are not available at some other stores.

頭から訳してみます。

いや、訳すというか、英語を英語の語順で日本語におきかえます。

ABCスーパー 扱う 豊富なチーズを (that) 入手できない 他店で

thatは関係詞ですが、that(あれ、それ)と考えてもいいです。前の名詞の説明を導くモノくらいでとらえてください。

この語順でもだいたい意味が分かりますよね。

これを少し口語にしてみます。

ABCスーパーって/扱っているらしいよ/豊富なチーズを/それって/手に入らないみたい/他で

どうですかね?

スラッシュを入れてみましたが、このスラッシュを入れた訳文がだいたい私がこの文を理解するイメージです。この方が頭からスッと意味が取れます。

ということで、語彙を調べてから文の構造を理解し、ふむふむなるほどな、と思って改めて読むと、スッと読めていく。

これを積み重ねる。

その積み重ねが

早く読めるようになる、ということです。

もちろん、この作業を本番のテストでやるととても時間が足りませんので、

これはあくまでも通常の学習でやってみて、みなさんの『なるほどな・・・』と納得した文を

復習の中で早く読めるようになって、

ストックを積み重ねてください。

さて、本日の例文は、以前作問した問題を少しアレンジしたものですが、

明日はその問題のPart-5の形式を実際に解いてみましょう。

本日英文をもみほぐしたので、意味も取りやすく、解答もしやすいはずです(きっとね)。

それでは、明日もがんばりましょう!

Tommy

初心者が英文を早く読むポイント その2

前日の続きです。

早く文を読むのであれば、1つの文を丁寧に読む。

その文について慣れてくれば少しずつ早く読める(はず)です。

昨日はPart-1と5がいいでしょうというハナシをしましたので、

Part-1のサンプルからみていきます。

たとえば、

The man is touching the screen.

こんな文があるとします。

パッと見ただけで、想像がつくかもしれません。

男性が、タッチパネルかスマホの画面を操作しているっぽい写真かな?

そうです。

私がある書籍で使った英文の選択肢を少しだけ変えました。

実際は、コピー機のタッチパネルモニターを操作している写真を描写いるのを想定していました。

話を英文に戻します。

The man is touching the screen.

これを分解すると、

主語が”The man” → 名詞

述語が”is touching” → 動詞touch ~に触れるの進行形

目的語が”the screen” → 名詞

こうなります。

目的語を伴う動詞=他動詞を使った第3文型(SVO)になります。

最初は、「こんな簡単な文、分解することすら面倒だな」と思うかもしれません。

でも、この簡単な文を分解することすら面倒な場合、そもそも難解な文は分解しようとすら思わず、訳していこうとするので、

おそらく読むのに時間がかかる=結果的に早く読めない

となります。

ですので、Part-1の短文からやっていくことで文を早く読むための分解作業に慣れることが出来ます。

Part-2は口語だったり省略形があるのでこの作業が難しい。

Part-3,4は長すぎますね。

Part-1の写真描写だからこそ、完全な文の形になっているので、この作業に適しています。

Part-1はこのほかに以下のような形が使われます。

The man is running. SV 第1文型

The car has been parked. SVO 第3文型の受け身=目的語が主語となり、本来の主語が省略されているパターン。

ですので、基本第1文型と第3文型しか使われません。

あとは、時制として、進行形、受け身の進行形、完了形と動詞の時制が少し変わり、

かつ前置詞句(前置詞+名詞)で位置や場所を規定しています。

along the street(道沿いに) とか、on the counter(カウンターの上に)とかですね。

そう考えると、Part-1については、

文型を頭に入れて読めるようになることで、

実際に問題を解くときに、この文型しかないんだな、と思って音声を待ち構えていると、

英文がすごく聴きやすくなります。

今回のテーマは、文を早く読む、でしたが、

文を早く読む素地をつけることで、

英文を聴きやすくなる素地を同時に作っている、ということにも置き換えられます。

特にリスニングはリーディングと比較して口語表現で難しい語彙や文法がそんなに登場するわけではないので、

リスニングが聞きやすくなると得点源になりやすいのはこうした要因があると思います。

少しでも参考にしていただけますとうれしいです。

それでは引き続き英語学習を頑張っていきましょう!

Tommy

初心者が英文を早く読むポイント

今日から、質問に少しずつ答えていきたいと思います。

基本平日質問にお答えし、週末は好きなことを書きます。

『英文を早く読むポイントは 何ですか? (スコア:300点未満)』

スコアが300点未満、ということなので英語学習を始めたばかりの方かと推測します。

このレベルでは、単語がわからない、文法がわからない、というレベルかもしれませんので、

まず、簡単なレベルの英文がわかる、読める、を目指しましょう。

早く読む、ということを心がけず、意味や文法(文の構造)を取って理解する、ことのほうががまずは大事です。

そういう意味では、パート1の写真描写問題か、パート5の短文穴埋め問題でトライするのがいいでしょう。

パート1は、第3文型(SVO)もしくは第1文型(SV)の形しか出ませんので、文の構造が取りやすいです。

パート5は、文法問題が比較的多く、解説も文の構造や文型を意識していることが多いので、初めてレベルの方で早く読む題材を求めている方には効果的・実践的だと思います。

ここでは問題を解く、というより英文を理解する視点で書きますが、

まず、対象の英文の単語を全て理解しましょう。これは辞書を引くなりしてその語がどういう意味を持つか把握すること、です。

次に文の構造を理解しましょう。これが主語、これが述語、これが目的語、といった構造的なものと、これは名詞、これは動詞、と品詞に分解してもよいです。

この作業は、一見面倒くさいですが、比較的易しい文についてその作業をやることで、難解な文を読む際にもそのようなことを行うクセづけをこの段階で習慣化する、というメリットがあります。

そして、語彙、文法、構造がわかった文について改めて読み直してみる。

そうすると一度目よりも早く読めることが実感できます。

早く読むというのは。「素早く英文を読んで理解する」という一連のプロセスのことを指しますが、

これを体感し、積み重ねることで少しずつ早く読むことが出来ます。

いきなりものすごいスピードで英文が読めるようには残念ながらなりません。

少しずつ、出来るレベルから学習していきましょう。

ちなみに、500点、600点で伸び悩んでいる方で早く読みたい、と思っている方も一度この方法に立ち返ってみたほうが良いと思います。

敢えて、初心に戻ることで復習の方法を見直せるキッカケが出来ると思います。

是非頑張ってください。

頑張る皆さんのレベルアップを願っております。

Tommy